『競馬場へ』

 セリの結果は残念だったが、売れ残ったことに文句を言っても仕方がない。土田氏は、ハクタイセイの競争相手に近所の牧場から牡馬を1頭借りてきて、ハクタイセイと一緒に運動させることで、なんとか急場をしのいだ。ちなみに、このとき土田農場に牡馬を貸したのは、オグリキャップを生産した稲葉牧場だとのことである。

 そんな苦労もあって、ハクタイセイは、2歳の時のセリではむしろ値段が上がり、1020万円となかなかの値で売れ、中央競馬への入厩も決まった。父とは似ても似つかぬ芦毛の仔馬は、「白」+「大成」という意味でハクタイセイと名付けられ、競馬場にと向かうことになった。

 栗東布施正厩舎に入厩したハクタイセイは、非常に早く仕上がったため、3歳戦の小倉・芝1200mの新馬戦でデビューした。ここでは3番人気の2着に終わったものの、そのレース内容は将来性を感じさせるものだった。その後は軽いアクシデントもあって次走との間隔が空いたが、次走でのハクタイセイは、1番人気に支持された。