『最後の一葉』
ラッキーゲランが最後の輝きを見せたのは、8歳になってからだった。もはや古豪となったラッキーゲランは、まず5歳時、7歳時に続いて3度目の出走となった京都金杯(Glll)で、58kgを背負って13番人気の人気薄ながら過去最高の3着で久々に複勝馬券に絡んで復活の兆しを見せた。そして、続く小倉大賞典(Glll)でも58kgを背負った8番人気で4着と健闘し、そして天皇賞・春(Gl)の前哨戦として一流馬が集まる大阪杯(Gll)に出走したところ、勝ったメジロマックイーンからは引き離されたものの、11番人気を裏切る3着に激走したのである。これならば、展開にさえ恵まれれば久々の重賞制覇も夢ではないと思わせる活躍だった。
しかし、これはラッキーゲランが燃え尽きる直前の、最後の輝きだったようである。大阪杯の後のラッキーゲランは、一気に疲れが出たため放牧に出されたものの、復帰した時にはさすがに力も闘志も衰えていた。その後は2走したもののいずれも2桁着順に終わったラッキーゲランは、通算42戦8勝という戦績を残し、現役を引退することになった。彼の重賞制覇は阪神3歳S(Gl)、毎日王冠(Gll)、函館記念(Glll)の3つで、他にコーラルS(OP)、トパーズS(OP)、巴賞(OP)という3つのオープン特別勝ちがある。