『最強の外国馬達』

 しかし、立ちはだかる敵は大きい。この年のジャパンCは、史上屈指の世界の強豪たちが集結したレースとなった。

 米国からは、ブリーダーズカップターフ(米Gl)を制したコタシャーン、同レース3着のルアズー、そしてアーリントンミリオン(米Gl)など、この年の米国の芝レースを勝ちまくったスターオブコジーンがやってきた。欧州からも、凱旋門賞アーバンシーキングジョージ(英Gl)・凱旋門賞(仏Gl)いずれも2着のホワイトマズル独国の名馬プラティニ、伊国の快速馬ミシル。豪州からは、前年ジャパンC(国際Gl)2着の実績を持つナチュラリズム…。ブリーダーズカップ馬と凱旋門賞馬がジャパンCで顔を揃えるのは初めての快挙であり、ジャパンCが世界の競馬から認められたことの何よりの証明だった。

 これに対して迎え撃つ日本馬は、というと、やや格落ちの感が否めないとされていた。Gl馬は3頭いたものの、そのうち最後の名ステイヤーライスシャワーは近走不振が続いていたし、前年の両グランプリを制したメジロパーマーも既に7歳、もはや前年ほどの力はなかった。天皇賞・秋(Gl)、または菊花賞(Gl)を走った真の実力馬がジャパンC(国際Gl)を飛ばして有馬記念(Gl)へ直行する、という問題が、この頃深刻化しつつあったのである。しかし、それでもダービー馬ウイニングチケット菊花賞3着のあと敢然と出走してくるのが救いだった。

 結局人気は上位3頭を外国馬が占めて、4番人気にやっと日本のウイニングチケットが入った。5番人気も外国馬で、レガシーワールドは6番人気だった。