『メジロ記念』

 メジロライアンメジロマックイーンのオーナーであるメジロ牧場にとっても、この日の宝塚記念は素晴らしい結果となった。勝ったのがメジロライアンで、2着がメジロマックイーンということは、メジロ牧場の生産馬、所有馬によるワン・ツーフィニッシュである。また、どちらも同じメジロ牧場の馬ではあったが、この日ばかりは

「もう菊花賞兄弟制覇、天皇賞父子三代制覇を果たしているマックイーンよりも、4歳春からずっと頑張ってきたライアンに勝たせてやりたい」

というのがメジロ牧場のスタッフの偽らざる気持ちだった。この日の結果は、まさに彼らの理想どおりとなったのである。

 ちょうど20年前の1971年(昭和46年)の宝塚記念メジロムサシメジロアサマという2頭のメジロ牧場の所有馬が1、2着を独占して「メジロ記念」といわれたことがあった。この日はその「メジロ記念」の再現となったのである。しかも、そのときメジロムサシに騎乗していたのは、横山騎手の父・富雄氏だった。横山騎手にとっても、この日はうれしい父子二代宝塚記念制覇となった。