『勝ってびっくり』

 入厩当初、カツラギハイデンは慢性的なソエに悩まされていた。10月にデビューしたのも、彼のソエが治ったわけではなく、むしろ「これ以上待っても症状は変わらないだろう」という見切り発車に近いものだった。しかし、カツラギハイデンは、万全ではない体調、15頭立ての5番人気という評価を覆し、見事なデビュー勝ちを飾った。ソエの状態を知っていた土門師や西浦騎手が驚くほどの予想外の勝利だった。

 続くもみじ賞(OP)では、1番人気を裏切る6着に敗れたものの、また人気を落として4番人気で臨んだかえで賞(400万下特別)では、再度の激走を見せて2勝目を挙げた。

 中央競馬の番組構成上、この時期に2勝をあげた3歳馬が進むべき道は、かなり限られている。そんな中で土門師がカツラギハイデンのために選んだのは、関西の3歳王者決定戦である阪神3歳S(Gl)への進撃だった。